交通事故被害者が絶対にしてはいけないこと

日常を非日常へと変えてしまう一瞬の出来事の一つが『交通事故』です。

交通事故は、車同士がぶつかるなど相手の身体的被害がない『物損事故』と、事故により相手に身体的被害がでる『人身事故』の二つに大きく分類されます。

たとえ車同士の接触であっても、「後ろから追突されて鞭打ちになる」「追突の衝撃で脚が挟まった」「車が横転して投げ出された」など、接触状況によっては怪我では済まず、死亡させてしまうこともあります。
そのため物損事故に比べると、社会的責任や心理的負担は比べ物にならないほど大きくなります。
運良く被害者が命を取り留めても、後遺障害が残り、元通りの生活を送ることができなくなるなど、一つの事故が多くの人の人生を狂わせることになってしまいます。
ドライバーがハンドルを握る以上、自分と他人の運命をも握り締めていると言っても過言ではないのです。

もしも突然の交通事故で、あなたが被害者になってしまった場合、事故現場で加害者側から持ちかけられた示談をその場で絶対に受けてはいけません。
特に交通事故直後は、突発的に起こったアクシデントに対して、加害者・被害者共に気が動転し混乱しており、冷静な判断が出来にくい状況下にあります。
事故直後は身体に異常を感じなくても、数時間後に突然倒れて搬送されることも実際にあります。
損じた物(車や自転車など)にかかる修理代を相手側が全額見てくれるなら・・・と、安易に相手側の示談に応じると、被害者が不利になるケースの方が圧倒的に多いのです。

交通事故の被害者が事故現場ですべきこと

交通事故に巻き込まれた場合、事故の規模や自身の怪我の状態、意識があるかどうかにも左右されますが、 人の記憶は徐々に薄れていくものですから、被害者になった場合は、できるだけ現場の状況を詳しくメモしたり、写真で保存しておくことが大切です。
特に怪我など身体に被害がある場合は、例えどんなに小さな事故でも警察を呼び、「人身扱い」として事故証明を発行して貰うと、後日の示談や対応の際に有効です。

1.相手を確認する 住所、氏名、連絡先、相手が加入している保険、車両ナンバー、相手の勤務先連絡先などを控える。免許証や車検証のコピーを取ったり、携帯電話のカメラで撮影しておくこと。
2.警察へ連絡する 交通事故を証明するためには、警察に交通事故証明を発行してもらう必要があります。また怪我や体調不良がある場合は必ず「人身扱い」にして貰うよう申告する。
3.目撃者の確保 人通りの少ない場所での事故であれば、目撃者の証言をメモしておく。できれば連絡先を控えておき、必要なら証人になって貰うようにお願いしておく。
4.事故現場の状況保存 事故に至った経緯をメモしたり、自車及び相手の車の破損部位や事故現場を、携帯電話のカメラなどで保存しておく。
5.保険会社へ連絡をする 歩行中に遭遇した事故の場合でも、自動車保険が降りることがあります。事故を起こしたら加入している自動車保険会社へ連絡を入れましょう。
6.病院へ行く 事故当時は気が動転していて自覚症状が出ないことがあります。自己診断で「大丈夫」と過信せず、速やかに医師による検査や診断を受け、身体被害を確認しましょう。
7.弁護士に相談する 交通事故案件に強い弁護士が保険会社とは違う角度から、賠償金及び慰謝料を改めて査定します。保険会社の査定より大幅に増額になるケースもあります。

交通事故被害で請求できること

交通事故の被害者が、加害者や保険会社に損害賠償として請求できるものを大きく分けると、下記の4つに分類されます。 賠償金額については自動車保険会社ごとに、それぞれ独自に社内基準を任意で設けていますので、基準に従った損害賠償提示を行っています。

積極損害 - 治療費や事故の影響を受けた実費で、医師の指示や同意があるもの

※医師の指示や同意がなければ認められないもの
温泉治療、鍼灸、柔道整復、マッサージ、形成治療費、治療器具購入費、薬品代、個室や特別室の使用料など、医師の指示がないものや事故との因果関係及び、治療効果が認められないものは損害として認定されません。
また、治療効果が認められた場合でも、費用の一部のみの認定となることもあります。

消極損害 - 事故により仕事を休んだ収入に対する損害

休業損害は実際に減少した収入に対して支払われるので、減収がなければ請求はできません。ただし、入院期間に有給休暇を充てた場合は請求が可能です。
それぞれ複雑な基準や計算式に則って算出されますので、できるだけ専門家へ相談して下さい。

慰謝料 - 事故による心労や精神的苦痛に対して支払われる損害

※慰謝料に関しては、自賠責基準と法的損害賠償基準が設けられていますが、事故の状況によって増減します。
それぞれ複雑な基準や計算式に則って算出されますので、できるだけ専門家へ相談して下さい。

物的損害 - 壊された物に対する損害

交通事故が原因で、事故当時身に付けていた洋服、バッグ、貴金属を始め、自家用車やバイクを損壊した場合、壊されたものに対して損害賠償を請求することはできます。
しかし、どんなに愛着があった物でも慰謝料を請求することはできません。
主に、修理代、廃車になった場合の買い替え費用、代車費用などは相手に請求することができます。

納得のいく賠償金を手にするために

まず、現在自分が契約している自動車保険に『弁護士費用特約』という項目があるか確認しておきましょう。
ここで一緒に確認して貰いたいのが『示談交渉サービス』の存在です。

弁護士特約がついているか確認しよう

「示談交渉サービスがついてるから、いざという時には安心だ」と思われるかもしれませんが、もらい事故など被保険者に落ち度がない10:0のような事故では、 契約している保険会社が損害賠償金を支払う必要がないため、保険会社は示談交渉の場に立つことが出来ないのです。
つまり、相手側の保険会社のみが動き、相手に提示された示談交渉を自分がやらなければならないのです。
相手側から提示された賠償金額が妥当であるのか、判断一つで困ってしまいます。

そこで救世主になるのが『弁護士費用特約

上記のように保険会社の示談交渉サービスを使えない時や、保険会社同士の示談交渉に不満がある時など、交通事故案件に強い弁護士の介入を得ることで、納得のいく結果に導いて貰うことが可能になります。

弁護士への法律相談や、交通事故の被害事故に関する示談交渉代行、訴訟などにかかる費用を『弁護士費用特約』で支払うことが可能です。
保険会社によって特約費用の上限が定められ、保険会社の同意内容によっては、金額の適用範囲が変更になることもあるようです。

弁護士費用特約』がついているなら、補償範囲も確認しておきましょう。
契約している車での事故にのみ適用であったり、人と車での被害には適用されなかったりと、保険会社によって補償内容が違いますので、日頃からしっかりと内容を把握しておくことが大切です。

示談を自分で行わず弁護士へ

交通事故に対する慰謝料を算出するため、3種類の基準があります。
これらの違いは誰が示談交渉をしたかによって賠償金額が変わるという点です。

3種類の中で一番賠償金額が高い基準になるのが『弁護士基準』です。
なぜなら「もしも裁判になったらこの賠償は認められる」という、裁判を前提にしたスタンスで交渉するためで、交通事故による賠償問題が少しでも早く解決できるように、過去の判例を基に判断されることが多いのです。
保険会社同士の交渉の場合、保険会社は少しでも支払いを抑えようとするので、妥協できる金額を提示する傾向にあるため、弁護士の介入がない限り「弁護士基準」での提示を行わないのです。

弁護士に交通事故交渉を依頼することは、法律に基づいた正当な賠償額を受けることができると共に、示談交渉を弁護士というプロに委任していることで、安心して治療に専念することも出来ます。
さらに弁護士にかかる費用は保険特約から支払われるとなれば、交通事故被害者としては弁護士に相談しない理由がありません。

交通事故相談の流れ

交通事故の案件で被害者側が弁護士に依頼すると、下記のような流れになります。
事故直後はケガや身体異常が気にならないこともあり、事故証明が『物件事故』として処理されてしまうので、 もしも後日、体調不良により治療を要した場合には、医師の診断書を持って警察へ出向き『人身事故』として切り換えて貰いましょう。

ただし事故から随分経過していると、事故との因果関係の確認が難しくなり、『人身事故』への切り替えが難航する可能性がありますので、早めに動きましょう。

1.事故発生
↓
2.治療(通院・入院)
↓
3.症状固定(安定)
↓
4.後遺障害の認定
↓
5.示談交渉
↓
6.示談(和解)成立

通院や入院が必要となった場合は、必ず医師の指示に従いましょう。
例えば通院でのタクシー利用や、入院時の個室の使用など、治療上で必要性が認められなければ、賠償の対象とならない可能性が高いのでご注意下さい。

気になる弁護士への相談のタイミングですが、治療中(入院中)に相談される方が多いようです。
賠償や慰謝料など事故に関する問題や、今後の生活に対する不安など、出来るだけ早めに解決したいと考える人が少なくありません。

交通事故被害の示談で気をつけたいこと

示談交渉は、一度サインをしてしまうと、特別な事情がない限りやり直すことが出来ません。
保険会社が提示した補償内容は、弁護士基準に満たない低い金額を提示されることが、ほとんどだといっても過言ではありません。 弁護士の介入を依頼しただけで、慰謝料+賠償金の合計金額が3倍になったケースも実際にあります。

交通事故被害者になったら、適正な示談交渉で適正な賠償を受ける権利がありますが、下記のようなお悩みを抱えておられませんか?

「保険会社が提示した金額は妥当だろうか?」
「基準を満たしていると説明されたが、提示された金額では到底納得できない」

相手側から提示された示談に不安があるときは、サインをする前に、交通事故案件に強い弁護士を頼って解決しましょう。